DonOkamotoのそれそれ

50才で起業を目指す海外駐在中年リーマンが体験や情報を発信します。

超近くにいた超ブラック社員

はじめに

前回ブラック企業での就業体験から学んだ事について書きました。

 

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ブラック企業で働くのは最低だなと思う一方で、経営者から見ればブラック企業の社員管理法は、極めて合理的だなとも考えていました。

 

私の身近で起きた事件を中心に、その考えに至った理由を書きます。

私が遭遇した超ブラック社員

これは、私が上記のブラック会社に入る少し前、実家に戻っていた時の事です。

父が雇った社員

当時、私の父は単身者向けアパートを所有・運営していました。アパートは6階建ての寮タイプで、部屋数は50-60程度、大浴場や食堂もついており、比較的大きな規模でした。建設した当初は、上手くまわっていたものの、この頃には、引き合いが減り、父は経営に苦労していました。

そこで、父は、アパートの運営管理と賃貸営業の目的で、従業員1人雇う事にしました。応募者の中から、父が選んだのは、年齢40歳の女性で、直近は大手製鋼会社で経理を10年程勤めていたという、信頼できそうな人でした。

ゆるい管理

アパートの運営には、営業、業者の管理・支払い、入居者からの入金等、色々な業務があります。この社員が入社した当初は、父は頻繁にアパートに行き、こまめに指示を出し、定期的に報告を求めていたようです。他に薬局を経営していた事、病気がちであった事もあり、父がアパートに行く頻度は次第に減っていきました。結果的に、金の流れ以外は、この従業員に任せる部分が増えていきました。

不審な手紙

数か月後、入居者数は減っていないのに、アパートの各階にある自動販売機の売上が少しづつ低下しているという話を父から聞きました。自動販売機の売上と聞くとたいした額ではないように感じますが、工事現場等で働いている男性が多いこの寮では、酒の販売が多く、結構な助けになる現金収入でした。当然、父は、この女性社員にもその現象について話をし、理由について調べるよう伝えていたようですが、納得いく理由は得られないままでした。

この頃から、病気がちの父のサポートになればと私もアパートに足を運ぶようにしました。特に、自動販売機からの収入が減っている件については、アパート管理人やこの従業員にも直接伝え、不審な点はないか等の確認も行いました。

父の周りで異変が起き始めたのは、この頃だったと思います。父が経営している薬局に嫌がらせの手紙が送られたり、薬局を閉めた後のシャッターに脅迫するような紙が貼られたりする事が起き始めました。映画やドラマで見る、新聞紙の文字を切り取ってつなぎ合わせて作った文章で「横暴な〇〇は薬局を辞めろ」等の文章が書いてありました。

父は警察に相談しましたが、そんな事をされる心あたりが全くありませんし、手がかりなく、犯人が捕まる事はありませんでした。

夜中に爆音

それから2-3週間後の夜中2時頃、家にいる時に、突然「ドーーーン!」と家の中にいても感じる程の衝撃とともに爆音が聞こえました。家の駐車場に車でも突っ込んだのかと思い、窓から外を見ると、父の車のボンネットと屋根が大きな炎で燃えています。消火せねば家が燃えると思ったので、とりあえず外に出ました。どうしてよいかわからず右往左往していると、同じく起きてきた隣の家の人が、消火器を持ってきてくれて、消火してくれました。

すぐに、警察に連絡、現場検証等で家に10人ほどの警察官がやってきました。朝日の中、改めて見てみると、車だけなく駐車場の壁も、真っ黒に焦げていました。警察によれば火炎瓶が投げられたとの事でした。

家に火炎瓶が投げられ、警察官が家で現場検証している、という目の前のシーンは十分に衝撃的でしたが、この時点で犯人は捕まっておらず、この犯人が、更にエスカレートして父や自分の命を狙ったりしないのだろうかと恐怖を強く感じました。

事件以降、薬局は一時閉店、アパート運営もその従業員にまかせ、父も私もあまり外に出かけないようにしていました。その間、父と犯人について何度か話をしましたが、父にはそんな強い恨みを買った覚えはなく、見当もつきませんでした。

犯人

それから、ひと月ほどすると、犯人が捕まったとの連絡がありました。火炎瓶を投げた犯人は、アパート管理の為に雇った従業員の同居人の男だったのです。そして、自動販売機の売上金を横領していたのは、この従業員でした。この女は、父が現場にあまり来ない事を良い事に、男と共謀し、自動販売機の金を横領を始めた。しかし、父が変化に気づき、疑い始めたので、横領が露呈する事を恐れたこの二人は、父の意識をそらすため、誰かが、父に恨みを持ち、攻撃しているという状況を作り出し、事業を全て手放す事を目論んだというのです。

ごく普通の真面目そうなあの従業員は、事件後も何食わぬ顔して、父にも、私にも会っていました。話を聞いた時に立った鳥肌の感覚は今でも覚えています。

まとめ

この強烈な事件の後、私は前述のブラック企業に入社する事になるのですが、入社した後に考えたのは、もし、父がブラック企業の社長と同じように、長時間拘束、多くルールと徹底順守、ノルマのプレッシャーで、徹底管理していたら、この従業員が自動販売機の金を盗む事はなく、あんな犯罪に発展する事はなかったのではという事です。

この従業員は酷い例ですが、私も含め、多くの人間は、本質的に、欲深く、怠け者で、楽して自分だけ稼ぎたいと考えています。こういう人間達を、管理し、自分の組織の利益の為に献身的に働かさなければならないのが経営者です。

そう考えると、ブラック企業のマネージメントは、脆弱な中小組織が、低コストかつ短期的で成果を出させる為に考え出された、合理的な人材マネージメント方法ではないかとも思うのです。

もし、私が父のように起業するなら、ブラック企業にして、徹底的に社員を管理するかもしれません。